わが家ももうすぐ築10年|暮らして分かったこと、変わったこと

築10年のわが家から伝えたい、家づくりのヒント

来月わが家は築10年を迎えます。
日々の暮らしの中で感じる変化や、「あの時こうしてよかった」と思えること、反対に「こうすればもっと快適だったかもしれない」と思うこともあります。
インテリアコーディネーターとして、そしてひとりの住まい手として、10年目を迎えた今だからこそお伝えできるリアルな感想を綴ってみたいと思います。

1. 電源とコード収納のリアル

パソコンやタブレット、スマートフォンに加えて家電類…暮らしの中で充電や電源が必要な場面は年々増えています。
わが家の場合、小学生のこどもたちが授業で使うタブレットは、家庭に持ち帰って充電することになっています。
そして今、私が一番切望しているのは、ダイニングテーブル下の床用コンセントです。
パソコン作業をしたり、ホットプレートを使ったりするたびに、「ここにあればよかったのに」と感じてしまう場所です。
コンセントの数や位置は「これで十分」と思っていても、実際に暮らし始めると足りなくなることが多いものです。

さらに気になるのがコードの存在。延長コードや充電ケーブルが床を横切ると見た目も雑然としてしまい、掃除の妨げにもなります。そこで大切なのは「どこで電源を使うか」を生活動線に沿ってあらかじめ想定し、必要な場所にコンセントを確保しておくこと。そして同時に、コードを目立たせない工夫です。家具の陰に隠せるよう配置を工夫したり、コードボックスや配線カバーを活用したりすることで、空間をすっきりと保つことができます。

2. 水廻りのメンテナンス性や耐久性

造作の洗面台に憧れて、わが家に2か所ある洗面手洗いは、いずれも既製品を選ばずに造作を選択しました。
ところが、絵具や習字の筆を洗えば、陶器製の白いボウルは着色が残って掃除の手間がひとつ増えることに。水も残りやすく、水垢や水栓のくすみが気にることもしばしば。また、タオル掛けの壁も湿気がたまりやすく、クロスの黒ずみに驚いたこともありました……。
今でこそ造作風のデザインを取り入れた既製品も多く、見た目の雰囲気と機能性を両立できる商品も増えています。当時そうした情報をキャッチできていたら、デザイン性とメンテナンス性の両方を兼ね備えた選び方ができたかもしれません。

それでも、毎日使うたびに「自分たちらしい洗面空間に仕上がった」と感じられる点は造作ならではの魅力。理想と現実のバランスをどう取るかが、家づくりにおいてとても大切だと実感しています。

3.経年変化を楽しむ暮らし

わが家の場合、ハウスメーカーの標準仕様が無垢フローリングだったこともあり、お手入れ性も納得の上で迷うことなく採用しました。実際に生活する中で、こどもが小さいうちは「防汚性の高いシートタイプでよかったかも……」と思うこともありましたが、そんな時期も振り返ればあっという間。新築当時よりも色に深みが増して、肌触りが良く、気持ちがいいものです。

季節ごとに表情を変える無垢材は、夏はひんやりと心地よく、冬は足元のぬくもりを感じさせてくれます。小さな傷やシミも、暮らしの跡として味わいに変わっていくのが魅力です。年数を重ねるほどに、素材が家族の時間をやさしく刻んでいるように感じます。

もちろん、こまめな掃除や定期的なオイルメンテナンスなど、手間がまったくないわけではありません。でも、そのひと手間をかけることで、家への愛着が深まるのも無垢ならでは。

これから家づくりをされる方には、デザインだけでなく「時間とともにどう変化していくか」という視点で選んでいただくと、より長く満足できる住まいになると思います。

まとめ

10年住んでみて改めて感じるのは、家は「建てて終わり」ではなく「暮らしながら育てていくもの」だということです。これから家づくりをされる方には、今の暮らしだけでなく10年後の暮らしを少し想像して計画していただければと思います。

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